株式投資やFX投資は大きな利益を生むこともありますが、その反面大きな損害を出してしまうことがあります。
返済能力を超えた損害があった場合には、生活を立て直すために自己破産という選択肢があります。 しかし、投資の損害が原因の返済不能は、気をつけるべき点があります。
自己破産の免責不許可事由
自己破産は借金返済の義務がなくなるため、債務が膨れ上がり過ぎて首が回らなくなった人も頼りにすることが多いです。
しかし、自己破産は手続きをすればいいというものではありません。 自己破産をするには裁判所に申し立てて、免責を認められなければなりません。
ただし、自己破産には免責不許可事由というものがあります。 借金の原因が免責不許可事由に該当してしまえば、自己破産ができず借金返済の義務が残ってしまいます。
自己破産の免責不許可事由は、以下の通りです。
- 浪費・ギャンブルによる借金
- 投資による借金
以上の条件に当てはまる場合は自己破産が認められず、借金返済し続ける必要があります。 つまり、株式投資やFX投資は「投資による借金」に当てはまり、免責が受けられない可能性があります。
免責不許可事由に当てはまってもまだ大丈夫
ギャンブルならまだしも投資による借金が原因で自己破産ができないとなると、八方ふさがりになってしまうケースも出てきます。
新たな借金もできない、自己破産もできない…。
でも安心して下さい！免責不許可事由に当てはまっても、全く自己破産が認められないわけではありません。
たしかに免責不許可事由として投資による借金が挙げられていますが、最終的には裁判官が自己破産を認めるかどうかを決定します。
例え免責不許可事由に当てはまる場合でも、自己破産が初めてであれば初回に限りということでやり直しのチャンスを与えてくれるケースが多いです。
こちらは裁判官の判断で決めることなので、裁量免責と呼ぶことがあります。 裁量免責の場合は、自己破産が認められるため、借金の支払い義務が免除されることになります。
何度でも自己破産できる？
自己破産は回数が制限されていないので、理屈では何度でもすることができます。
ただし、前回の免責から7年以上経過していないと自己破産はできないという制限があります。 また、何度も自己破産を繰り返すことによって、裁判所の心証は悪くなっていきます。
以前は投資失敗が原因でも免責が下りたのに、2回目は下りない可能性があります。 自己破産は債務者の最終的な救済措置として用意されたものです。
借金返済ができなくなって何度も破産を繰り返すようでは反省が見られません。
自己破産手続きは思ったより簡単ではありますが、これが人生をやり直す最後のチャンスということを肝に銘じ、絶対に繰り返さないようにしましょう。
